2005年08月02日
川俣晶の縁側ソフトウェア技術雑記 total 4174 count

INIファイルは死んだか? 長所短所を踏まえるなら使っても良い技術ではないのか?

Written By: 川俣 晶連絡先

 古き良き16bit時代に設定保存ファイルとして頻繁に使われていたINIファイルは、多くの短所を持っていました。

 すぐ思い付くものは以下の通り。

  • 単なるテキストファイルで大きくなるとすぐ重くなる
  • 込み入った構造を表現できない
  • Windowsディレクトリに置かれるため全ユーザーから共有されてしまう

 これを置き換えるためにレジストリが誕生したわけですが、今やレジストリも過去の遺物です。

INIファイル復活論 §

 さて、今時のアプリは、Documents and Settingsの中のApplication Dataの下にXML文書ファイルを作成したりして保存するわけですが。

 十分に単純で小さなデータを扱うのであれば、ここにINIファイルを作成しても良さそうに思えます。つまり、小さく、単純なデータに限り、個々のユーザーごとに用意されるディレクトリの下に置くとすれば、INIファイルの短所は問題にならないようにも思えます。

 つまり、INIファイルを使っても良いのではないか、ということが考えられます。

だがしかし…… §

 しかし、このINIファイル復活論にも問題がありました。

 INIファイルに保存すると、文字はシフトJISで記録されます (標準的な日本語のWindowsでは)。

 そう、今時のWindowsの世界にはシフトJISで表現できない文字がゴロゴロしているというのに、これは致命的な問題です。

 もし、この問題を解決するために、INIファイルを改良したり、INIファイルを扱うAPIの改良版を作ろう、と考えるぐらいであれば、素直にXML文書を使った方が良いでしょう。